「ペット!♪
アサトちゃん女子大生でしょ~?その歳でこんなに可愛いペットを飼えるなんて、
羨ましい限りだわ♪うふふ」
溝口お姉さま…美人だけどちょっと変…って人のこと言えないケド。
溝口さんはお姉さまが何を言い出さないかハラハラしてコーヒーを飲みながらも気が気でない様子。
「甲斐性なしって、お金持ってそうなイメージだけど。
The大人の男って感じで」
ちょっと憧れの眼差しで黒猫は上目遣い。
The大人の男ってね…
「金はふつーだと思うよ?この年齢の男の世間一般的」
溝口さんはそれ以上突っ込んでほしくないと言う感じで早口に答える。
「世間一般的て、溝口さんていくつなんですか?」
ちょっと聞いてみると
「俺?俺は24ス」
24…意外に若かったな、溝口さん。もっといってるかと思ったのに←失礼な人
「当時付き合ってた彼女が二つ年上だったのよね。
結婚を迫られてたけど、アキヨシはまだするつもりないらしくて…
それで痺れを切らした彼女は新しい彼氏を見つけるためにアキヨシをフったみたいよ?」
お姉さまの質問に、「なるほど」と頷きながら
溝口さん結構酷い男ですね。
同棲するぐらいならその彼女と結婚しちゃえば良かったのに。
でもまぁ24だったら具体的な将来なんて考えられないか。
「てか何勝手に答えてんだよ。俺には俺の事情があるんだよ」
とちょっと目を吊り上げてお姉さまを睨む溝口さん。
「はいはい、分かったわよ」
溝口お姉さまはちょっと肩をすくめて、
「邪魔者は退散するわ。お二人ともごゆっくり~」と違うお部屋に行ってしまった。
あとに残された溝口さんと私。+黒猫。
涼子のことを聞きたくて勢い込んだはいいけど、どうやら誤解だったみたいだし、どうやって切り抜けよう。
一人であれこれ考えていると
「じゃぁ涼子さんのことも結婚するつもりはないってことですか?」
黒猫はカップをテーブルに置いて真剣な顔で溝口さんを見た。



