「朝都ちゃんも倭人のことを“黒猫”扱いしてるし。


二匹のネコがじゃれあってるようにしか見えないんだよね。


僕から見たら可愛い範囲だ」


じゃ、じゃれあってる…とな。


ってか私の中でお父様もネコですよ?まだら模様の赤毛がきれいな、みけネコ。


そんなことを思っていると黒猫がトイレから戻ってきた。


さっきまで照れくさそうにしていた表情をトイレに流してきたのか、いつも通りけだるそうに隣に腰を降ろす。


黒猫が私のことを“白猫”ね。


生意気よ。


「このカクテル“白猫”をイメージしたんだって」



私がちょっと言ってやると、


何食わぬ顔でジンジャーエールに口を付けていた黒猫が吹きだしそうになって慌てて口元を押さえた。


「クソ親父。朝都に何言ったんだよ」


ちょっとみけネコお父様を睨みあげて黒猫が忌々しそうに聞いた。


「別にー。お子ちゃま息子が照れてトイレでリセットしてるときにちょっと世間話をしていただけー」


照れてリセット??


「へ、変なこと言ってんじゃねぇよ!」


黒猫がちょっと怒ってみけネコお父様はまたもニヤリ。


「お二人ともごゆっくり~」


う゛~ん…年の功だからか?やっぱり黒猫より一枚も二枚も上手だ。