「あいつねー、最初は朝都ちゃんのこと
『とっつきにくい女』とか『気位が高いネコみたいな女』とか言ってたの。
肌の色も白いし、髪も茶色で全体的に色素が薄いからって白ネコ」
とっつきにくい??気位が高い…だとぅ!
しかも色素薄い…って存在感薄いみたいな言い方…
黒猫め!
ま、まぁでも全否定はできない私。だって私も…全然懐かない黒猫を毛嫌いしていたフシはあるから。
「でもさ、そう言ってる割にはテレビで白いネコちゃんとか見るとガン見。
『このネコ、あいつに似てる?可愛くね?』とか言ってんの。その後慌てて
『ネコがね』とか言い直してるし。
笑えるよね」
みけネコお父様が「ふふふっ」と思い出し笑いをして腰を折る。
「いつ思い出しても笑えるし。分かりやすっ!ってね♪」
私は笑えない。
黒猫倭人に白猫朝都。
ますます何の芸人コンビだと聞きたくなる。
「倭人……私を“飼い主”扱いしてるのに」
「何それ。超ウケる♪」
みけネコお父様は今度こそ声に出して笑い、おなかを押さえている。
超ウケる、ってどこの女子高生だよ。
「あー、それね。あいつの駆け引き?みたいなものだよ。
朝都ちゃんはおねーさんだから、あいつなりにさりげなく女性を立たせてあげてるんじゃない?」
女性を立たせる??
ってことは……私を“飼い主”扱いするのは計算?
可愛い顔して結構したたかだな。
だけどやっぱり……その考えがおままごとみたいで
可愛いし。
「しかし飼い主とは…考えが子供。
おおかた『飼われてやってもいーよ』とか思ってんじゃないのー♪」
飼われてやってもいーよ
か…思ってそうだ。
てか、生意気よ!



