黒猫の目がキラっと不敵に光った気がした。
またこの子は。
良からぬことを考えて…今度は一体何を企んでるんだろう。と私は疑いのまなこ。
ネコの目には網膜の下に“タペータム”という反射板のような組織があって、瞳孔から入ってきた光がキラっと光るって聞いたことがある。
ホント、ネコ…
「だーめ。今度こそお父様に怒られちゃうよ」
とちょっと咎めるように言うと、
「別に邪魔しに行くわけじゃないじゃん。あくまで客として。
夕飯だってまだだし、ついでにそこで食って行こうぜ。
それにまだ11時半までかなり時間あるし」
黒猫が腕時計を見下ろす。
まぁ確かに…このままここでさよならってのも寂しい気がするしな。
実際、飲みたい気分であったのは確か。
「社会勉強だよ。ねぇいこーよ~
連れてってー」
と急に可愛く甘えてくる黒猫。じゃれるように私の腕をとりすりすり。
く……!
私、このおねだり攻撃にとことん弱い。
可愛い飼い猫にそんなこと言われたら連れて行きたくなる。
「じゃ、じゃぁちょっとだけよ?」
結局断りきれない私…↓↓
「やったぜ」
黒猫の目がまたもキラリと光り、私の背中にぞっと何かが走った。
小悪魔ネコめ。
最大限の可愛さを武器に私を…いやお父様を?ハメようとしてるな…
黒猫…頼むから問題起こさないでよ。



