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な、何でみけネコお父様がここに!?
私と黒猫は問答無用でマンションのお部屋に引っ張っていかれて、今ソファに並べられている。
「どうゆうことだ、倭人!朝都ちゃんを連れまわして!挙句の果て外で…!」
みけネコお父様は腕を組んでイライラしたように私たちの前をうろうろ。
「も、申し訳ございません!」
私はすぐに素直に謝ってテーブルの上に手をつくと、
「抱きしめてただけじゃん?」
黒猫はしれっとして言う。
く、黒猫!開き直ってんじゃないわよ!
私はハラハラ。
「お前は朝都ちゃんを家に連れ込んで、それ以上のことしようとしてたんじゃないか!?
朝都ちゃんにわるさしようとしてたんじゃないか!」
そう指摘されても、黒猫は押し黙ったままつーんと顔を逸らしてる。
く、黒猫ぉ……
「あ、あの!本当に申し訳…」言いかけたとき
「別に。朝都は何も悪くないし。てか俺、朝都に親父のウィスキーあげようと思ってただけだから」
半分本当だけど、半分嘘だな。
「嘘つけ。お前ウィスキーで朝都ちゃんをつろうとしたんじゃないか?」
ウィスキーでつられる私……みけネコお父様、私どんなイメージよ。
「ブチブチうっせぇな。だったら自分はどーなんだよ。
息子置き去りにして、ペルシャ砂糖さんとこに週イチで泊まりに行ってたくせに」
黒猫が反撃に出て、みけネコお父様はぐっと詰まった。
「な、何故それを!?」
「バレてないと思ってンのかよ、不良親父。
ペルシャ砂糖さんから全部聞いたんですー」
んべーと舌を出して黒猫があかんべ。
「カズミちゃんから!?ってかキミたちいつの間にそんなこと喋る仲に!?」
「あんたの粗探しだよ」
へっと黒猫は勝ち誇ったように笑って
「ほかにも聞いたぜ?最初あんたは子持ちであること黙ってたとかな」
み、みけネコお父様!?
みけネコお父様は「してやられた」と言った感じでガクリ。
でもさすがに大人だけある、すぐに
「お前はまだ未成年者だからだ。僕はもう大人。それが違いだ」
と、体勢を立て直した。



