Chat Noir -バイオハザー度Max-




頭を冷やすと言う意味だろうか、黒猫はアイスカフェラテ。私はアイスコーヒーを注文。

(当たり前だけどテキーラはメニューになかった)


話しの流れでコーヒーを“おねだり”すると黒猫はちょっと嬉しそうに笑って二人分スマートに払ってくれた。


わざわざ喫煙室にまで来てくれて、何も言わずとも灰皿を用意してくれる黒猫。


私が無性にタバコを吸いたくなったこと何故知ってる。


単なるヤニ切れじゃなく、変に固まった緊張をほぐしたかったから。


その意味で話題を変えるように


「ね、ねぇお父様とちゃんと話できた?」


タバコに火を点しておずおずと黒猫を見ると、


「うん、家族会議っての?親父とした」


黒猫はカフェラテのグラスに口をつけてのんびり。


「特に言い合いになることもなかったし、



親父さー『勝手に決めてごめんな』だってサ。



謝られてこっちはひょーし抜け。


聞けば朝都に『ちゃんと言わないと倭人に伝わらないです』って言われたからだって。



年下女に言われて慌てる大人ってのもなー」




黒猫はイタズラっぽく笑って、でもどことなく嬉しそうに頬を緩める。


「考えたらさー、俺もあいつに自分の気持ち伝えることなんて随分してなかったから、なんか新鮮だった。


あれから一回さ、ペルシャ砂糖さんと三人で食事したんだ。


朝都の言った通り優しそうな人だったよ」



そっか。



話し合い、ちゃんとできたんだ。


良かった。


これで少しずつだけど黒猫の不安を取り除いていけたら―――



「朝都が親父に言ってくれたお陰。


俺は朝都のお陰で母さんの写真見つけられたし、







ありがとうな」