こいつは私を女として見てないだろうし。いつもそっけないし。


黒猫が何か言いかける前に、私は先回りして口を開いた。


「この部屋は禁煙でしょ?でも、ここならいいじゃない」


黒猫は何も言わず私の隣に並んだ。


すらりと背の高い彼と並ぶと私の姿に影が落ちる。





それが何だか悔しい。




黒猫は大きな目を三日月のように細めてじっと私を見る。


「タバコ、やめたんじゃなかったの?」


黒猫に言われて私は思わず顔をしかめた。


「黒猫の相手に疲れてるの」


「何それ」珍しく黒猫が声を立てて軽く笑う。




何よ