黒猫、倭人は少し長めの前髪から覗くその大きくて少し目尻が上がった目を開いて、私の方を見ていた。
「誰あれ?倭人の知り合い??」
と、黒猫の周りには黒猫と同じ制服を着た高校だんすぃ達が興味深そうに噂話をしている。
黒猫は最初制服のポケットに手を突っ込んでいた。
制服―――……
ってとこに、現実を思い知らされた気がして、思わず目を逸らしたくなるけど、
制服のズボンのポケットに手を突っ込んでる姿が、いかにもヤンチャっぽくて
―――可愛いじゃないか。
「もしかしてあの子!噂の黒猫くん♪やだぁ、可愛いじゃない♪」
と涼子も興味津々。
黒猫はポケットから手を出すと、つかつかと歩いてきた。
いっつもポケットに手を突っ込んでる黒猫。
昨日も告白をされたとき、その手をポケットから抜き取っていた。
その光景を思い出して、
ドキリ
と心臓が鳴る。



