黒猫のお部屋のベランダは私の避難場所??もしくは喫煙場所……
どっちもよろしくないな…
ベランダには黒猫がずっと前に用意してくれた灰皿が隅にちょこんと置いてある。
セサミストリートのオスカーのおうちみたいな…ブリキ製のゴミ箱灰皿だ。ちゃんと蓋もついている。
最初は携帯灰皿持ってきてたけど、喫煙家だと知ると黒猫は何も言わずに用意してくれた。
こうゆうとこ…さりげないって言うのかな。
高校生のくせして気が利くっての??
手すりに手をついてきれいな淡い紫色のカーテンを敷いたような夕焼け空を眺めると、黒猫に告白されたあの日を思い出す。
穏やかな風が吹いていて、私はなびく髪を押さえながらタバコに火を灯した。
あれから二ヶ月…
キスはしたけど、その先は……
進んでいいのかな。
だって黒猫は―――五歳も年下の男子高生だ。
でも私は―――
もっとぎゅっとしてもらいたいし、したい。
もっと手を繋いでキスをして、あいつの体温に包まれて夜を過ごしたい―――
こんな風に思うのはじめてだ。
………
これって性欲??
………
発情期のあるネコよりも、飼い主の私が先に発情してどーすんのよ!!
ダメだろ!!
一人百面相をしてると、
「なぁ、もーそろそろ冷えてくるからリビングで吸えば?風邪ひくよ」
ひょこっと黒猫が顔を出して、その瞬間
ふわり
風が悪戯をして、私のスカートの裾を舞い上がらせた。



