「クロネコヤマト!」
きゃはは、と涼子は声をあげて笑った。
「自ら恋を運んでくるとは」
む゛~と唸って腕を組むと、
「まぁいいじゃん?ゆっくり考えていけば。あんた彼氏と別れたばっかりだし?
相手、未成年だってことを除けば何も問題ない」
「そこが一番重要なとこなんじゃない」
「そんなのダメに決まってんだろ!だめ、ダメ、ダメ!!」と浩一。
私はタバコを灰皿でもみ消すと、日本酒のお猪口をぐいと煽った。
すっかりぬるくなった日本酒は旨みが消えていたけれど、度数の高いアルコールが喉を焼くように熱い。
昨日……黒猫におでこコツンってされたときのように
熱い。
「ガキだと思ってたくせに。
黒猫のくせに、生意気な」
あの一瞬で年上のおねーさまを振り向かせるなんて。
「ちくしょうめ」



