焼きそばを一口、口に入れて
「冷めてる」と黒猫はぼやいた。
「何ですぐ食ってくれなかったの?」と目だけを上げて私を見てくる。
「……あのときは…なんか食欲なくて…」
黒猫にあの場で“彼女”と紹介してくれなかったことにショック受けてました。
なんて言えないケドぉ。
でも私は何にも言ってないのに、
「あんときはー…なんかはぐらかしてゴメン。
でもどうしても一番最初に朝都を“彼女”って親友の亮太に紹介したかったんだ。
なんか……ガキっぽくてスミマセン…」
黒猫がちょっと顔を伏せると小さく謝った。
「一番大切なツレに、俺の大切な人を一番に紹介したかったから」
そう―――……だったの…
そう言えば、その次は普通に“彼女”って紹介してくれてたしね。
なんだか急にキュっと心臓が締め付けられた。
苦しい、悲しい。とかじゃなくて、すごく
嬉しかった―――
「子供っぽくないし。大切って言ってくれて嬉しいし」
何か一人でモヤモヤしてた私の方がガキっぽいじゃん。
変なヤキモチ焼いちゃってさ。
あー、恥ずかしい。
恥ずかしさを隠すために焼きそばを口に入れる。黒猫が作ってくれた“倭人スペシャル”
「あれ…これ、塩焼きそば??」



