男子の塊の中に、女子が一人―――
ピンクの浴衣の後ろ姿がゆっくり振り返り、カリンちゃんが驚いたように目を開いていた。
背がちっちゃくていかにも華奢そうなカリンちゃんはまるで男子たちのマドンナ的存在のように見えた。
思わずキュっと黒猫と繋いだ手に力を入れる。
「なにお前!彼女居るくせに、他校の子をナンパかよ!」
と一人が驚いたように、でも楽しそうにからかった。
他校……って私!?
「ばっか。ちげぇって。
これが俺の彼女」
さっきははぐらかされたのに、今度は堂々と誇らしげに私の手を引いて男子たちに目配せ。
彼女―――…
って言ってくれるんだね。
嬉しさと恥ずかしさから思わず顔を俯かせる。
「彼女ってあの“ネズミの彼女”だろ!?てかすっげぇ可愛いジャン!」
「このやろぉ。倭人うまくやりやがって」
「ラブラブ手なんか繋いじまって。羨ましーぜ!」
男子たちが興味津々で私たちの周りを取り囲むかのようにわらわらと集まってきた。
「てかネズミの彼女って?」
あんたどうゆう説明してんのよ。と言う目で倭人を睨み上げると、
「こいつネズミのストラップすっげぇ大事にしてるんですよ?
彼女からもらったとか、お揃いだとか~自慢してたよな♪」
代わりに男子の一人が答えてくれた。
いや、あれはネズミじゃなくて…まぁ広義で指すとネズミの部類だけど。
大事
自慢―――……
黒猫を再び見上げると、
「バっ!変なことバラしてんじゃねぇよ!」
と黒猫は真っ赤になってちょっと怒った。



