花が綻ぶように笑ったエマはやっぱり可愛い。
なんだか姉妹みたいに思えてきちゃうなぁ。



「あなたには先に話しておかなくちゃいけないわよね、って……あぁ!」



ほっと息をついて和やかに話していた彼女は首にかけていた懐中時計を取り出すと、突然慌てだした。

あ、そういえば落ちてきた時に急いでるって言ってたよね。

どうしよう。そう悩んでいたエマに、財布から取り出したメモ用紙を渡す。



「これ、私のラインのIDと電話番号。急いでるんだったら早くしたほうがいいよ、落ち着いたら連絡ちょうだい?」

「ご、ごめんね。この後私飛行機に乗るの。空港についたらすぐにライン飛ばすから!」



たった一枚の紙を大事そうにカバンにしまって、エマは空港の方へと走って行った。

空港って、旅行にでも行くのかな。それじゃあきっと次に会うのは先の話になるかも。

背は向こうの方が高いのに、なんだかエマが幼く見えて、姉妹だったら彼女が妹だな。なんて想像をしてしまった。

エマが落ちてきたところをカメラでぱしゃりと何枚か撮って、ガヤガヤと人が入り乱れる出店の方へと私は足を向ける。



早く連絡、来ないかな。