私が初めての海外旅行に選んだのは、童話に出てきそうなお城が中心にある、海と空の綺麗な島国だった。



理由はとても簡単。


旅行に行く先で写真を撮ることが好きな私は、パンフレットを見た瞬間から、この国の端から端まで余すことなく全てを写したくなったからだ。




夢のように美しい国、『レーヴ』。




そんな煽りが付くのがわかるほど、飛行機を降りたときに受けた感動はすごかった。


澄んだ空気に、キラキラと光って海底まで見えそうな海。


本の中に間違って入ってしまったような気さえする程に素敵な場所。



想像していた以上の場所に、この私が興奮しないはずもなくて、予約していたホテルに荷物をあずけた後、少しのお金とカメラを持って私は街へと飛び出した。



早く、全てをカメラで撮りたい!



ショートパンツだからと裾を気にすることなく、綺麗な風景を撮るために私は近くの木漏れ日の入る路地へと入って行った。