魔王のオモチャ






僕は昔…

人間だった…








だけど、僕の周りには
ズル賢い大人がたくさんいて…

僕はそんな大人たちに騙されながら生きてきた







僕は、幼い頃両親が他界して
他の親族に預けられた

だが、その親族は僕とは関係ない
ただの他人だった



僕はそのことに気づいて逃げ出そうとしたが…
出来なかった…





僕には妹がいて、妹を人質に取られたからだ
僕は、妹を返して欲しくて
どんなことでも聞くと言った







そしたら大人たちは
僕に人殺しをするように命じた

僕は妹を取り返すため
大人たちに飼われるしかなかった…







僕は妹のためと思い、自分の身を削った
人を殺して罪悪感で眠れないときもあった

それでも妹のためにやるしかなかった






何年もそれを繰り返すうちに
僕は心を痛めることはなくなった

自分の心を抑えることで、人を殺すことも平然と出来るようになった











そんな、ある日……

僕は任務を終え、屋敷に戻ると…




使用人たちの話し声が聞こえた

僕は別に気にする必要がないと思って、そのまま立ち去ろうとしたら……











『ギーラってやついるだろ?
アイツ、妹のために人殺してるらしいぜ?』








『うわぁ、マジかよ…

この屋敷、ヤバイと思ってたけど
そんなヤツがいんのかよ…』









『しかもな、ここだけの話…
その妹、ご主人様の愛人になってるって話だ

妹の方から望んだらしいぞ?
なんでも、いい暮らしが出来るからって…』








『うげ…
ギーラってヤツは、それを知ってんのかよ?

妹のために殺人を犯してるんだろ?』









『さあ?知らねぇんじゃねぇか?

ご主人様たちは、ギーラって便利な駒を手放したくないらしいからな…』









『酷い話だな…

ご主人様たちにも騙され
妹にまで騙されてるなんてな…』













嘘だろ……












僕はその言葉を信じられなかった
大人たちは、ともかく…

妹が僕に嘘をついていたなんて…