魔王のオモチャ







別に人間に未練はない
悪魔になってもいい


だけど……











「どうして、俺なんだ?


最初は、俺を見殺しにするつもりだった
あんたが…

なんで心変わりしたんだ?」














あのとき、魔王は確実に俺を見殺しにしていた

だが、今の状況からするに…


魔王の言ったとおり、俺は魔王に助けられた




でも、何故だ?

何故、心変わりしたんだ?













『お前、中級悪魔たちに襲われているとき、死にたくないと思っただろ?


しかも、人間の身勝手な行動で
お前は不幸になった

俺はお前の心の声を聞いて、お前を悪魔にしようと思った




俺も昔は人間だった



でも、人間の身勝手な行動で俺は悪魔になってしまった

だから、俺はそんな奴等を見ると自分を見ているようで嫌なんだ




どうだ?俺の下について人間を全滅させてみねぇか?

お前にとっても悪い条件じゃないと思うが?』















コイツ、人の心が読めるのか!?

しかも、魔王も元は人間!?



まあ、別に人間を殺しても何も思わないし
悪魔になるのもいいかもしれねぇな…





それに……












「俺、あんたに一目惚れしたし…
悪魔になってやるよ

それで、あんたを俺のもんにしてやる!」






『イッ…』













俺は魔王が差し出している手をとり
魔王の手を思いっきり噛んだ

すると魔王の手から血が流れてきて
俺は一滴もこぼさないように舐めとった














最初、魔王を見てから…
俺は魔王から目が離せないでいた

中級悪魔に食べられそうなときですら
魔王を見つめていた



魔王の性格も、一筋縄にいかない感じが好きだし…

悪魔になって、魔王を俺のもんにするのもいいかもな…














『ははっ。これが悪魔の力か…
すげぇ、漲る』









『悪魔になったお前を俺は歓迎するが…
俺は、お前のものになるつもりはねぇからな』














そう言い残して、魔王は部屋から出て行った













そして、俺は悪魔になった……