イイコでしょ?

二人の額がコツン、ぶつかった。





そのまま成瀬さんの瞳を見上げると、すごく近くで目が合って、心臓がバクバクと震えだした。





「美希は俺の妻なんだ。他の男と親し気にするのは、許さない。しっかりわきまえて、イイコにしとくんだな。」






背筋がゾクリとする。





成瀬さんの掌が私の頬を包んだから。






言葉とは裏腹に、ふんわりとした柔らかい手つき。





フッと思わず顔を上げると、首を擡げた成瀬さんの顔が近づき、そっと私の唇にキスをした。






優しく、ゆっくり溶かすように舌が唇を舐める。





胸が苦しくて、息が出来ず、少し離れた口の隙間で息を吸うと、成瀬さんの舌も一緒に入り込んで、私の舌と遊ぶように絡まった。





角度を変えながら何度も、チュッ、チュッと音を立てて吸い付かれ、熱さで頭がぽーっとした。





腰が砕けそうになるのを左手で支えられると、身体がピタリとくっ付いた。






全身が、熱いお風呂に浸かったように火照ってしまうのは、初めてだから。






こんなキス…生まれて初めて。






「そんな顔で、午後の会議の準備に来るなよ?」






その言葉を聞いてハッとして、自分がとても恥ずかしい顔をしていた事に気づいて、更に真っ赤になる。






顔を両手で覆っていると、…ったく、と言ってククッと笑った成瀬さんが、一人先に会議室を出て行った。