「……ふうっ!」


放課後に、図書室から出てきた私。



いやあー。


あの本、面白かったなあー。






「なあ、美優って好きな奴とか……そのっ……いんの?」



ドキッ



これって



この声って




「ん? あ、いるよっ!!」



ああ。


見ちゃダメだってわかってんのに。



「……どんなやつなんだよ?」


「んーっと、恥ずかしがり屋ですぐ笑って、明るい人!!」


えーー



それって。



「……っ。 俺のことも眼中に入れて」


そう言って、美優ちゃんをそっと抱きしめた春樹。