契約結婚の終わらせかた




プルル、とバックの中から呼び出し音が鳴る。 なんだろう? と漁ってみると、見慣れないピンク色のスマホがあった。


「あれ? 誰のだろう」


自分は生まれてこの方携帯電話なんて持ったことがない。契約した覚えもないし、不思議に思って眺めてると美帆さんが「とりあえず出たら? 持ち主がかけてきたかもしんないよ」とアドバイスくれたから、それもそうかと美帆さんの操作で出てみた。


「はい、もしもし。和泉と申しますが」

『あ、やっと出た』

「葛西さん?」


聞きなれた声が聞こえてびっくりして、危うくスマホを落としそうになった。慌てて持ち直すと、液晶画面に耳を当てて話す。


「もしかして、このスマホは葛西さんのものですか?」

『違うよ、それは碧ちゃんの名義で契約した君のスマホだよ。伊織になにかあった時の連絡用にってね』

「はあ……それがなぜ私のバッグから出るんでしょうか?」


いろいろと考えておかしすぎる。私が持ってたバッグは日常的に使うものだけど、葛西さんの前に出したことはない。普段は部屋のクローゼット奥にしまってる。なのに、なぜ彼がこのバッグに契約したスマホが入れられるんだろう?


『そんな細かいことは気にしなくていいの! 禿げちゃうよ』

「……」


いやいや、明らかに怪しすぎでしょう。あなたは一体何をしてたんですか!?