うおおおっ! と子ども達の気勢が上がる。
桂グループのかなり上位に当たる桂興産の本社ビル。当然警備員が出てきて、追い出されようとしたけど。
「ちょっと待ちなさい」
と出てきたのが、正蔵さんの秘書である佐倉さんだった。今日も今日とてダークスーツを一分の隙もなく着こなしてる。
「碧さん……あなたは一体何を企んでいるのですか?」
眉間を押さえながらため息をつく佐倉さんに、子ども達が突撃する。
「あんたが、ここの社長か?」
「違いますよ。私は総帥の秘書をしています佐倉と申します」
「ソースイ? ソースの仲間か?」
「違うよ! スイだから水の仲間だきっと」
「ヒショって、なんの仲間?」
「あんたバカね。ヒショってのは社長とイケない関係になる人のことよ」
まだ社会経験のない子ども達は、わいわいと知らないことを訊きあってるけど。
心愛ちゃん……最後のイケない関係って。キミ、コミックの読みすぎですよ。
「あの……実はおはる屋のことで。子ども達が署名を集めたので、えらい人に渡したいと」
「なるほど……確か、最近マスコミでちょくちょく話題になってましたね。少しお待ちください」
佐倉さんは眉間にシワを寄せたまま、不本意そうにスマホを出してどこかへ電話をする。
正蔵さんの秘書に過ぎない彼がどれだけのことを出来るのかは知らないけど。
(何だか……不機嫌な顔が伊織さんに似てるかも)
思わずフフッと思い出し笑いをして、周りから不思議そうな視線を集めてしまいました。



