「じゃん、見てください!何と3000人分の署名が集まりました!」
心愛ちゃんがちゃぶ台へ置いた署名用紙の厚みに、周りからどよめきと拍手がわき起こる。
おはる屋の売却話が発覚して2週間。子ども達なりに駆けずり回り努力した結果、かなりの数の署名が集まった。
もちろん、雅司さんの協力をはじめとしたマスコミの力も否定できない。だけど、根気強い地道な活動が一番の力だったと思う。
「さて、これをどこに提出するかだけど……」
空くんが腕を組みながら思案してると、後ろで座ってた雅司さんが情報を提供してくれる。
「それならばもう調べがついてる。売却先はダンディコーポレーションだが、あくまでも桂不動産の子会社で。開発プロジェクトの母体は桂興産だ。つまり、そこの本社に乗り込めばいい」
「乗り込む! そうだ。行こうぜ。おれたちがおはる屋を助けるんだ」
お~! と、堅くん達は正義の味方のノリで気炎を上げるけど。
「おいおい、アポなしでいきなり行っても追い出されるだけだろ。まずは電話をしねえと」
さすが高校生なだけあって、空くんは現実的な考え方をする。だけど、雅司さんがそれをぶち壊した。
「いや、予告無しで突撃した方がインパクトが大きい。ちょうどオレの知り合いのテレビ局クルーがスタンバってるから、あっちも無下にはできないさ」
「そうそう! 突撃だ!!」
「悪いやつらをやっつけろ~」
何だかよくわからないノリで、雅司さんが運転するワンボックスカーに乗るはめになった。



