契約結婚の終わらせかた




「はじめまして、青木 雅司です」


途中から参加した美帆さんと雅司さんは、子どもたちとおはる屋を興味深そうに見てた。


「私は地元じゃないから初めて見たけど、なんだか懐かしい気分になるわ。ホッとできるわね」

「そうだな。近年コンビニに押されて、こういった駄菓子屋が貴重だし。いい被写体になりそうだよ」


写真家である雅司さんは早速大きなレンズをカメラに取り付け、いろいろと撮影を始めた。


「お! でけ~カメラだ。カッケ~」


ゲームで遊んでた堅くんが興味を示して、雅司さんの回りをうろちょろする。


「よかったら君たちの記念写真を撮ろうか?」

「え、ホントですか?」


その言葉に早速反応したのが心愛ちゃんで、彼女は真理ちゃんを抱き上げて堅くんの腕に自分の腕を絡ませる。


「はい、お願いします!」

「ちょ、おま。腕放せよ」

「わ~真理ちゃん落ちちゃうよ」


そんなやり取りにクスクス笑った雅司さんは、「はい、チーズ!」と合図を送る。


「次は空兄ィと碧お姉ちゃんね!」


心愛ちゃんが素早く私と空くんの腕を掴み、グイッと引っ張られた瞬間パシャリとシャッターが切られる。


それから、おばあちゃんを含めて実に様々な場面でシャッターが切られた。


「いや、面白い。来てよかったよ」

「それはよかったですね」


パーティーも終わりに近づいた頃、おばあちゃんが続けて咳をしたのに気付いた。


「おばあちゃん、本当に大丈夫? 薬飲んだ? ちゃんと寝ないとダメだよ」

「うるさく言わなくたって、自分の体は自分が一番わかってるよ。それより、早くいきな。時間がないだろ」


おばあちゃんに言われて、そういえば約束の30分前と知って慌てた。


「ごめんね、おばあちゃん。早く帰って寄るから」

「いいから早くいくんだよ。せいぜいバカ婿に甘えといで」


おばあちゃんに押し出されるようにおはる屋を飛び出した。