「今度は碧お姉ちゃんの番だよ!」
「あ、うん」
おはる屋でのクリスマスパーティーで、今はゲームを楽しんでる。心愛ちゃんの声で、次は私の番とサイコロを振る。人生を扱ったボードゲームではなかなか波乱万丈な人生を歩んでた。
「うわぁ、借金1億ってあり得ね~!」
空くんが頭を抱えてたけど、現実の借金で人生がおかしくなった身からすれば笑えない。
伊織さんや葵和子さんだって……。
(正蔵様は伊織さんが戻られれば、葵和子さんの借金は全て弁済されると申されてます)
葵和子さんは未だに働いて実家の借金を返し続けてる。それで夫である正蔵さんに頭が上がらないらしいけど、あの佐倉という秘書には激しく怒ってくれた。
「碧さんまで思いのままになさろうとしないでください!」と。葵和子さんなりに必死に守ろうとしてくれた。
でも……結局。その場で秘書を追い返しただけで、根本的な解決はできなかった。
「碧姉ちゃん? どうかした?」
思わずため息をつくと、空くんの怪訝そうな眼差しに気づく。
「あ、ごめんね。次は結婚したいな~なんて……」
「あ、あたしなんて子ども生まれたよ! みんなからお祝いがっぽりいただきました」
ほくほく顔の心愛ちゃんは、現実(リアル)で同じことをしそうだ。思わず噴き出すと、空くんがホッとしたような顔をした。
「よかった、碧姉ちゃんやっと笑った」
「え、私そんなに無愛想だった?」
私の言葉に違うよ、と空くんは首をふる。
「なんか落ち込んでるように見えたからさ。何かあるなら……おれ……みんなに話せばいいよ。大した力にはなれないかもしれないけど」
「そうだよ! 恋の悩み相談ならあたしが鉄人だからね」
なんて心愛ちゃんにまで励まされて。彼らの思いやりに、ありがとうって目元をぬぐった。



