「へえ、駄菓子屋さんのクリスマスパーティーかぁ。わたしも参加していいかな?」
おはる屋の後にバイトしてる「あくあくりすたる」で店主の美帆さんに話せば、彼女もクリスマスパーティーに興味を持ったようだった。
「もちろんいいですよ。大勢の方が楽しいですから」
「カレの雅司も連れて来るけど、大丈夫?」
「はい!大歓迎です」
いそいそと外出の支度をしていた美帆さんは、「よかった」と笑う。
「ちょうど雅司はクリスマスのモチーフを捜してたの。ありきたりな被写体はイヤだって言ってたから、助かるわ~」
雅司さんは美帆さんの恋人。先月から付き合い始めて、今2ヶ月目。毎日夕方から夜に掛けて店を出ていたのは、ちょうど取材のために近くに来ていた雅司さんに会うためだったと知った。
写真家である雅司さんはフリーライターも兼ねていて、ジャーナリストとしても活動しているらしい。
今日は近くの川辺で会うの、と頬を染めながらマフラーを巻く美帆さんは、私の手元を覗いて口元を綻ばせる。
「また、上手くなったんじゃない。スケッチ」
「そ、そうでもないですよ」
美帆さんは暇な時には自由にしていていい、と言ってくれたから、許可をもらって店内のガラス工芸品を色鉛筆でスケッチしてた。あくまでも趣味で、そう上手いと思わないけど。
「ううん、この透明感とか質感とか、すごいよ。素人とは思えないし」
「こ、これしか趣味がありませんから」
恥ずかしくなってうつむくと、可愛い! と美帆さんに抱き潰されてしまいました。



