「もうすぐクリスマスなのに~まだ予定ないのあたしだけなんだよ! つまんない~!!」
またまたデジャブ……ってやつですか。
おはる屋の和室でバタバタと足を動かすのが、心愛ちゃん。彼女は親は旅行なんだよ! とふて腐れてた。
「クリスマス、子どもを放って泊まりって。信じらんない」
「こら、心愛。あんまりわがまま言うんじゃない」
「そういう空兄ぃだって、今年もカノジョの一人もいないじゃん! 高2でそれッてヤバくない?」
「ぐっ……」
妹を宥めようとした空くんは、瞬く間に撃沈。空くんが「好きでいない訳じゃない」とぶつぶつ言いながら、こちらをチラ見するのはなんで?
「わかった。私がおばあちゃんに話をするから、25日にクリスマスパーティーをおはる屋でやろっか?」
「え、ホント? やったあ」
両手を叩いた心愛ちゃんは、早速和室から出て「みんな誘ってくるね!」と勢いよく飛び出す。それを見て元気だなあと苦笑した。
ゴホン、と咳の音が聞こえたから驚いて振り向けば、おばあちゃんがいたからアワアワ慌てた。勝手に約束したから怒られると思ったけど、全然そんなことはなかった。
「まったく、賑やかしいことだね」
「ごめんね、おばあちゃん……」
「いいさ、それより。あんたこそ25日……本当にいいのかい?」
やっぱり、おばあちゃんも気にしてくれていたんだ。それがわかっただけで嬉しくなり、ふるふると首を左右に降った。
「おばあちゃんこそ、体は大丈夫? さっき咳してなかった?」
「ほこりを吸い込んだだけさ。大したことないよ」
ほら、くだらないことに気をかけてないでレジをしな! とおばあちゃんは私の手をピシャリと叩いた。



