わぁ、ちょっとかすれ気味の低音セクシーボイスデスねー……なんて現実逃避してる場合じゃない。
この男性の質問意図が何にせよ、プリンに異様に関心を持ってる……ってのは解った。
空くんはやっと頭が動き出したらしく、数度瞬きしてからムッとした表情を作ってる。
わ~ヤバい! 何か知らないけど、男性の態度が空くんの癇に触れたらしい。
「あ、あの空く」
「あんた、誰だよ?」
空くんは男性を睨み付けると、挑みかかるように両手を腰に当てて構えた。
「いきなり出てきて、名乗りもしねぇでさ。いい年した大人が、ちょっとないんじゃね?」
(うわぁあ、空くん! なんでそんなにケンカ腰なんですか)
空くんと男性の間に、めちゃくちゃ冷たい空気が流れてる。男性も不機嫌なのか、眉間にふっか~いシワを刻んでますよ。たぶん、こんなガキが生意気言うなって言いたいんでしょう。
(うう……どうしよう。こういう時……こういう時は)
おろおろした私はふとひらめいたことがあり、パンッと手を叩いて音を立てる。すると、案の定2人の目がこちらへ向いたから、こう宣言してあげました。
「人間、腹が減っては戦ができぬ! お腹が空けばイライラもしますから。ちょ~~っとだけ、休戦しませんか?」
ニカッ、と2人に笑ってみせた。



