暖かな季節が終わり、ジリジリと焼き付くような夏が始まった。 今日から7月。 だと言うのに…… 「なぁ、こっち来いよ」 「やっ…」 新月早々。 男に迫られているあたし、椿 彩葉(ツバキ イロハ)。 「何で逃げんの?」 近付いてくるその影から逃れようと後退りする。 が、背中が壁に当たった時、逃げ道がない事を知った。 「残念だったね。」 ふっ、と意地悪に微笑んで。 あたしのすぐ傍までやって来ると、細長い指であたしの髪に触れた。