二百文字小説【小さな玉手箱】

《96.芸術への想い》

 運動で出た僕は、近くの小高い丘に行く。

 するとそこに、カンバスに絵を描いている男の人がいた。

 街を一望した青い海が見える風景だ。

「素敵な絵ですね。タイトルは何ですか」

「平和の象徴」

 答えた男性は筆を動かす。

 何が平和の象徴なのだろう。この街の風景のことだろうか。

 考えていると男性は白い絵の具を付けて、飛んでいるハトを書き加えた。

「芸術というものはね。想いを表現できるものなんだよ」

 今日は曇りで風も冷たかった。