二百文字小説【小さな玉手箱】

《94.森の声》

 小さい頃、祖父に森には神聖な生き物がいるから気をつけなさいと言われていた。

 それが滑稽に思えて森に入っては木を折ったり、捕まえた昆虫を蜘蛛の巣に引っかけて遊んだり。

かなり残酷な遊びをしていた。

 そんな時、見たこともない奇麗な羽根のチョウを見つけた。

 標本にして自慢しようとして追いかける。

 そこで夢中になりすぎて沢に落ちかけた。

 そして、聞こえた笑い声。

 あれは何だったのだろう。以来、森で悪いことはしていない。