二百文字小説【小さな玉手箱】

《92.シニアライフ》

 定年退職がちかくなり、刺激がある趣味がほしいなと言うと後輩に誘われた。

「空を飛んでみませんか」

 話を聞くとパラグライダーというものらしい。

 体験コースから単独飛行の講習へとすすむ。

 数日の講習でA級ライセンスがとれるのだ。

 仕事場では熟練者だった俺が、ここでは初心者だ。

 それでも興奮には変えられない。

 数世紀前には夢とされていた空の旅が体感できるのだから。

 さあ、何事にも経験だ。

 眼前には雄大な景色が待っている。