二百文字小説【小さな玉手箱】

《89.遠距離恋愛》

 若い頃、遠距離恋愛をしていた。

 俺は東京の大学に。彼女は地元の短大に入学したからだ。

 当時は携帯電話もなく、遠距離なので電話料金もかかった。

 それなので俺と彼女を繋げる会話手段は手紙がほとんどだった。

 昔を思い出しながら写真を見る。写っているのは妻だ。

 単身赴任で日本を出てきた俺も、一人でいると妻に会いたくなる。

 しかし昔と違い、今は連絡も楽だ。今日もメールを送信。

 距離を越え、俺と妻は今も遠距離恋愛中である。