二百文字小説【小さな玉手箱】

《83.誕生石》

 義父が亡くなり姑と住むことになった。

 部屋を広くするため、物を整理することに決めた。

 まずは宝石箱。母の遺品と私の誕生石が入っている。

 蓋を開けて懐かしんでいると娘が興味深そうに覗きこんできた。

「奇麗だね」

「それはペリドット。お母さんの誕生石よ」

「誕生石って何?」

「生まれた月の宝石よ。あなたはサファイア」

 そこに姑がふらりと姿を見せた。

「私はダイヤモンド。一番高い宝石だよ」

 嫌味に聞こえたのは私の気のせい?