二百文字小説【小さな玉手箱】

《82.社会勉強》

 仕事でアメリカに転勤になった。

 憧れの海外生活だが現実は厳しい。言語の違いから交流も出来ない。

 お昼には居場所に困って外に出る。

 いつになったら、皆と楽しくランチができるのだろう。

 息を吐いてサンドイッチを口にすると声が聞こえた。

「レモネード一杯どうですか」

 売っているのは子供だ。

 好奇心から隣にいる女性に訊くと、アメリカではよくある光景らしい。

「小遣い稼ぎなのよ」

 社会勉強か。甘酸っぱい味が口の中に広がった。