なんか変なの、、、、私が?

空に近い場所は気持ちがいい

とあるマンションの屋上に私は居た

手すりに座り街を見渡す

もちろん、足元には何もない

落ちたら、死ぬかもしれないね…

けど、それもまた私を興奮させる

落ちたらどうなるとか、解放されたこの感覚とか、見られてるかもしれないとか、肌に当たる風の感触とか、考えるだけでやばい

「はぁー……もぅ最高」

口元に笑みを浮かべて、そう呟く様は不気味なもの

普通の人間が見たのならば、恐怖で動けまい

それぐらい、彼女の笑みは恐ろしく不気味なのだ

「ねぇ、隠れるならもっと上手くやってくれるかしら、不愉快なのよ」

目を瞑り見えない何かに話しかける

すると、徐々に後ろから気配が感じられるようになった

「なんだー、バレてたのか、残念」

残念、ね

嬉しがってるくせに

少女が思ったとうり、いきなり現れた少年は笑っていた

何があったわけでもない、ただ少女に居ると当てられたことが嬉しかったのだ

自分の存在を必ず分かってくれる人物が目の前にいる、それだけが、少年の幸せ

少女と歳はそう変わらないであろう少年

「で、なんのようかしら」

その少年を見ずに用件だけを聞いた

同じ体勢のまま、自分を見ずに話しかけてくる少女を愛しそうに見つめて応える

「ボスが呼んでる、急ぎ来るようにだって」

少女の姿は、言い終わる前になくなった

「相変わらず行動が早いな」

クスクスっ

笑いが止まらない

少年は少女が触った手すりに手をかけて笑い続けた