「もう暗いから、俺が家まで送ってあげる」



「あー……。
いいのに……。
でも、ありがとう……」



お礼を言いながら、片倉くんと一緒に階段を下りて、改札に向かう。



――ピッ。



定期をかざして、改札を通った。



そのとき……。



「えっ……。
碧……くんっ!?」



妃莉は、柱にもたれて立つ碧くんの姿を見つけた。