『兄さま、だっこ!!』 『まったく、いくつになっても甘えん坊だなあ…』 やれやれと言いながらも、その顔には愛しさが滲み出ていた。 『兄さまっ私、兄さまとけっこんするのっ』 『あぁ、そうだな、けっこんしようなー』 よしよしと、少女をなでる青年はとても嬉しそうに笑っている。 少女も、幸せそうに笑っている。 胡蝶は泣いていた。 「やめて、もうやめて、見たくない、やめて…お願い、おねがいぃ…」 泣き崩れる胡蝶は異常な程に震え、慄いていた。