「な、なに…?」 胡蝶は読んでいた本から目を離し、轟音の源らしき方向を見た。 もくもくと煙があがっているのは屋敷の門あたり… ―あぁ、まだまだ妖怪の世は分からない… そんなことを思いながら、どうしたものかと思案していると、 「胡蝶」 煩い周囲とは正反対の低く、落ち着いた声がした。 「黒炎さん!!」