「やれやれ・・・あいつらが、うるさい円城寺がいないうちに、こっちへこい凛道。」



成り行きを見ていた獅子島さんが私を呼ぶ。




「頭であるお前には、しっかり説明せねばならんからな。」

「そうそう、円城寺はすぐ、凛たんに対抗すっから、話が進まないんだよな~」

「わははははは!しっかり、こきつかえよ!凛助!」

「こきつかうとか、僕は別に~それより、瑞希お兄ちゃんはどこですか?」

「これだ。」




心外だと思いながら聞けば、パソコンから顔を離した獅子島さんが言った。



「これは・・・」




画面をのぞき込めば、地図の上で、赤い点が移動していた。

そこへ、誰かの指が重なる。




「これが、瑞希だ。」

「烈司さん!?」




指でなぞりながらヘビースモーカーは語る。



「ゆっくりだが、移動してる。多分、職場の近くで捕まったんだろうな。」

「お店の近くで!?」

「そうだ。多分、気が抜けてたんだろうぜ・・・」

「あの!これ、どこへ向かってるんですか!?」

「それはまだわからねぇ。だから、これから凛たんには追いかけてもらう。ほれ。」




そう言いながら何かを差し出してきた。




「え?イヤホン??」

「可児の時に、使っただろう?バイクは知らせながら、話すのは慣れたよな?」

「あ・・・つまり、ナビゲーターをして下さるんですね!?」


「そーゆーこと。頼むぜ、凛たん?」

「瑞希救出、任せたぞ凛道?」

「わはははは!俺様みてぇーに暴れて来いよ、凛助!」


「・・・心得ました。」




彼らの返事にうなずき、耳と携帯にイヤホンをつける。

同時に、獅子島さんが私の携帯にかける。

それを受け、通話中ボタンを押して準備完了となった。





「うははははは!似合うかぁ~!?凛!」

「ヤマト、みんな!」




そこへタイミングよく、龍星軍の特攻服を着たみんなが帰ってきた。

ちゃんとした特攻服。

私と同じ長さのショートの特服だった。