山南さんが、この世を去り

慌ただしく屯所の移転が決まった


西本願寺に移ってから、体調を崩す者が増えた

渉の消息を知りたいと、松本医師が訪ねて来た

3つ年上の松本医師は、なんというか

頼れる兄のような存在だ

渉が懐いていたのも、頷ける


「不衛生だ!全く!!いかん!!
ここは、病の巣だ!」


激しく怒られた

そして、風呂を作れとか、豚を飼えとか

難しいことを言われた




どうにかしないとな……




松本医師と庭を散歩中




「良ちゃん」


木の上に、渉がいた


渉!!と叫ぼうとしたが、静かにという
仕草をした


「良ちゃん…ごめん
心配しなくても、元気にやってるから」


顔を布で隠してるから、表情はわからない


「土方さん…弘吉に言って、置屋にある
俺の金使っていいよ
俺は、使い道ないから……じゃ」



すべてお見通しなのか?












さすが、太夫というか


殆ど使っていなかったので

屯所改修に十分な額があった



また、助けられた