私がいつも通る道がある。

車の音、人が行き交う音、人の会話している音。

様々な音が入り混じて、この道を通る。

私は、花守真白 (はなもりましろ)30歳
花屋「クリーム」に勤めている。

いつも私が通っているのは、誰でも通るような大道路の歩道。

その歩道を歩くところに、花屋「クリーム」がある。

私は、実家暮らしだが徒歩10分で着く。

その道を通る時にいつも会う人がいる。

そう、私が気になっている人。

名前は、分からないけど、背が高くて、眼鏡をかけていて、手が大きくて、いつも鞄にはイルカのキーホルダーがかけられている。

私は、30歳になるまで恋をしたことがなかった。

いつも通っている道で気になる人が初めて出来たのだ。

しかし、気になっているだけであって、好きになったのだろうか。

恋とは、惹かれたらもう恋に落ちてるというのをよく聞くが、私はそれ自体がよく分かっていない。


でも私は、彼をいつも見て頑張ろうという意欲を持ち、花屋「クリーム」に向かう。

今日もその彼が通るはずだ。

いつも同じ時間帯8時15分にこの道を通る。

私ながら、少しストーカー気質になっているが、気にしない。

私は、時計を見ながら、彼が通るのを周りを見渡しながら歩いていた。

その時……。