その合図と同時に皆が教室から飛び出す。私達も違う所に移動する為に教室から出る。
「萌っ…!どこに行くの…?」
優美は少し運動が苦手だ。もう既に息が上がっている。
「うーん、まずは隠れる所が沢山ありそうな所…例えば…」
「コンピュータ室はどうだ?」
私が隠れられそうな場所を考えようとしたら駿介が提案してきた。確かにそこなら机が沢山あるし、死角も多そうだ。まず鍵がかかるしね。
「よし!じゃあそこで決まり!」
私達は急いで商業棟へ向かった。
私達の学校は色々な学科がある。そのせいで色々な棟がある。
商業棟、普通棟、特別棟の3つだ。
普通棟は教室などがある棟。
特別棟は図書館や理科室、音楽室など、移動教室などで良く行くような教室が揃っている棟。
そして今向かっている商業棟は、商業科の人たちが使う教室、例えば簿記室などがある棟だ。情報処理というパソコンを使う教科もあるので、コンピュータ室などは商業棟にある。
学校の構造はこんなものだ。まだ旧校舎などもあるが。
「よし!着いた!…って、あかねぇ!」
コンピュータ室に着いたはいいが、なんと鍵が掛かっているようだった。