元カレには彼女がいる。でも好きで仕方ない

「うん…
どういうつもりの言葉や行動だったのかはわからない。でもね…
涼くんには涼くんの理由(ストーリー)があるんだよ…きっと♡」



「涼くんの理由(ストーリー)?」



「そうっ!だからいいの…これでいいの…」


咲良は少し寂しそうに、でも満足そうに笑った。



恋っていうのは、
人の感情をこんなにも乱して
どん底に突き落とすものなんだな…
それならオレは一生恋なんてしたくない、面倒くさい。そんな風に思ってしまった。




「てかさ、女って怖ぇな…」


オレも一応女だけど、
そういう女の集団は本当に苦手だ。


「女でくくりたくないけど、昨日のバスは本当に逃げ出したかったよぉ〜」



だんだん普段通りに戻ってきた咲良にホッとするオレがいた。




「ねぇねぇ優希!そのカメラで、わたしのぐちゃぐちゃのこの顔撮って!!」


”相変わらず変わった女”


そう思いながらも何度もシャッターを切った。この夏咲良の新たな一面を知った気がした。