堪えていた涙を流し、声をあげて泣いた咲良はしばらくして少しずつ落ちつきを取り戻していった。
「大丈夫?」
「……うん。ありがとう…」
気の利いた言葉ひとつ出てこないオレに咲良は微笑んでくれた。
そしてオレの腕からそっと抜け出して、まだ溢れている涙を拭いながら話し始めた。
「わたしね、涼くんのこと大好きだったよ。本当に本当に大好きだった。ダメだってわかってた…彼女いるの知ってたんだもん。でもね、好きって言ってくれたから…同じ気持ちでいてくれてるって思ったら期待しちゃって…だって……好きな人に好きって言ってもらえたら嬉しくて、彼女になれるかな?なんて…わたしバカだね……間違ってたんだね…」
再び溢れ出した咲良の涙を見て、
涼くんに対して怒りの感情が湧いてきた。
「咲良はバカじゃない…間違ってもないよ」
恋愛経験の一つもない、
恋って感情すら知らないオレは
こんな在り来たりな言葉しか出てこない。ただ側にいて話を聞くことしか出来ない自分の無力さを知った。
辺りは少し薄暗くなってきて、
ふたりで近くのベンチに座った。
その間に昨日のバスの中での出来事や、涼くんとの最後の会話を聞いた。
「咲良には悪けどさ……
その涼って人なんなの?オレよくわからねぇや…そいつの気持ち」
「大丈夫?」
「……うん。ありがとう…」
気の利いた言葉ひとつ出てこないオレに咲良は微笑んでくれた。
そしてオレの腕からそっと抜け出して、まだ溢れている涙を拭いながら話し始めた。
「わたしね、涼くんのこと大好きだったよ。本当に本当に大好きだった。ダメだってわかってた…彼女いるの知ってたんだもん。でもね、好きって言ってくれたから…同じ気持ちでいてくれてるって思ったら期待しちゃって…だって……好きな人に好きって言ってもらえたら嬉しくて、彼女になれるかな?なんて…わたしバカだね……間違ってたんだね…」
再び溢れ出した咲良の涙を見て、
涼くんに対して怒りの感情が湧いてきた。
「咲良はバカじゃない…間違ってもないよ」
恋愛経験の一つもない、
恋って感情すら知らないオレは
こんな在り来たりな言葉しか出てこない。ただ側にいて話を聞くことしか出来ない自分の無力さを知った。
辺りは少し薄暗くなってきて、
ふたりで近くのベンチに座った。
その間に昨日のバスの中での出来事や、涼くんとの最後の会話を聞いた。
「咲良には悪けどさ……
その涼って人なんなの?オレよくわからねぇや…そいつの気持ち」

