元カレには彼女がいる。でも好きで仕方ない

わたしは強く噛み締めていた唇をそっと開いた。





「涼くんはさ……
彼女以外のクラスの女の子と仲良い?」



切り出しの言葉はぎこちなくて、
でもこれしか浮かばなかった。




「えっ?クラスの女子?う〜ん…
うちのクラスの女子気が強いからさ、仲良いってよりは気を使う感じ!笑」



「そっかぁ…やっぱりどこの学校も女子強いんだねっ♡」



一生懸命笑いながら会話を続けるわたし。涼くんも何も疑わずいつも通り会話していた。



「咲良は優しいよ!
気強くないし、キツイこと言わないしさ。まじで咲良と付き合いたい…ずっと一緒にいてぇよ!」




昨日までなら、純粋に嬉しくて浮かれ上がっていたかもしれない。
でも今は、そんなセリフ聞きたくない。


どんな気持ちで言ってるの?
なんで躊躇いもなく言えるの?




「涼くんには……彼女さんが…いるでしょ」



振り絞った声は涼くんの心にどう届いたかな。