元カレには彼女がいる。でも好きで仕方ない

目が腫れるほど泣いて、
眠れなくても朝はきて…
あと数時間で涼くんはいつも通り迎えにくる。



連絡して会わないことだって出来るけど…
こんなにボロボロでも
”会いたい”
と思う気持ちには勝てないのかもしれない。




もう既に一番深いところまで堕ちているんだ…
恋に、涼くんに堕ちていた。




いつも通りに、
昨日のことなんて無かったみたいに笑顔で涼くんに”おはよう”と言った。



もちろん涼くんもいつも通りで、
優しく微笑む横顔にキュンと胸が痛んだ。
切なさで押しつぶされそうになる。




いつも通りなのにいつも通りじゃない。




「咲良ってさやっぱり可愛いね」


ねぇ涼くん、彼女さんにも同じこと言ってるの?


何気ないいつもの言葉も行動も
素直に喜べない。



いつもの公園のベンチに座って
見つめ合って何度も唇を重ねて…


わたしの初めてのキスは涼くん。

キスの温もりを教えてくれたのは涼くんだった。
でもこの日冷たいキスがある事を知った。
それを教えてくれたのも涼くん…





「あーあ!咲良と死ぬまで一緒にいたい」





やめて…やめてよ涼くん。
これ以上期待させないでよ…