「それじゃあ、仕事に戻るから、
楽しむんだよー!」




駆け足で去っていくおじさんに手を振る。




この状況…楽しめると思いますか?




「…ねえ、あの子でしょ。
男子校にたった1人の女」




「あーそうそう。
男好きだよね、ほんと」




…さっきからこの調子です。

すれ違うたびに冷たい目で見られて、
男好きって言われるの。




だんだん慣れてきてる自分も怖いけど…。




新しい飲み物を持って、
また周りに行こうと思った時。




女の子の集団の横を通る瞬間、
転びかけた。

足を…ひっかけられたんだ……!



そのままバランスを崩して転倒。
左腕に鈍い痛みが走った。




「ちょっと!制服汚れたんだけど!?」




「えっ……」




そう言ってシミになっている部分を私に突き出す気の強そうな女の人。

明らかにこの人が足を引っ掛けて
私を転ばせたのに…。