「麻里香はおじさんとおばさんと先に式場に向かってて。俺が春香を連れてくから」
「……わかった。大介、ありがとう」
「バーカ。春香は俺の妹でもあるんだ。手が焼ける妹もって、俺は幸せだよ」
ふ、と笑って、麻里香の頭をポンポンと軽く叩く。
涙を浮かべながら、えへへ、と太陽のように笑う麻里香を、俺はこの命に代えても守ろうと改めて心に決めた。
「じゃあ、また。式場で」
おじさんが運転する車を見送る。
さてと、我が儘お嬢様をどうしたものか。
俺は二階に上がると、ノックをして春香の部屋のドアを開けた。
「春香?」
春香は制服を着て、ベッド脇に座っている。
俺の方は一切見ない。
俺は隣りに座ると、春香の右頬をつねった。
「ちょっ……!いひゃいって!」
「何だ。口利けんじゃん」
頬を離してやると、痛そうにそれを摩る春香。
「なぁ、春香は麻里香が嫌いか?」
「……」
「麻里香は春香が大好きなんだ。大好きな妹に笑っていてほしいんだよ」
春香は膝に置かれた手でスカートをギュッと握る。

