ツゥーっと、少し赤く染まった彼女の頬に透き通った涙が流れた。
愛しい。涙一粒さえも。
「ゔ…ひっく……」と子供のように嗚咽を繰り返す春川さん。
華奢な肩を揺らし、左手で顔を覆う。
指の間から溢れる雫。
まだ春川さんの気持ちを聞いてないのに、浮かれてしまいそうだ。
この涙の意味…君も俺と同じ気持ちだと……
もう片方の手で春川さんの涙を拭う。
ピクッと瞼が震えて、俺を見つめた。
「俺の彼女になってくれますか?」
春川さんは小刻みに唇を震わせて、何度も何度も首を縦に振る。
じわっと胸に温かい何かが広がっていく。
緊張が一気に解けて、思わず安堵のため息を漏らした。その時。
「あの〜、お二人さん?良い雰囲気のとこ申し訳ないんですけど、イチャつくなら二人っきりの時にお願いします」
春川さんの友達が恥ずかしそうにしながら遠慮がちに言った。
ハッと我に返る。
周りを見渡すと、いつの間にか出来たギャラリー。
「凄い。生告白だよ」とか「羨ましい」とか、そんな声が聞こえて自分の今までの言動を思い出して血の気がサァーッと引いた。

