ゆっくりと春川さんに近付く。
目を離すことなく。見つめる。
「春川さんに会いたくて、気付いたら君の姿を探してた。何度も後ろを振り返ったりして。似てる人を見つけると心臓が煩くなって」
「海生君……」
「昨日の試合だって観に来てくれて凄く嬉しかった。迷惑なんて一ミリも思ってない」
「でも、困ったような顔してた……私といてもあまり喋らないし、目も合わせてくれないし……だから私ーー、」
やがて春川さんの目の前で足を止めると、その右手を握った。
「どうしていいかわかんなかったんだ……」
握った手をキュッと握る。
春川さんの手は、白く滑らかで、細くて。
少しでも力を入れたら壊れてしまいそうだ。
この手を俺が守りたい。
この手を引いて歩きたい。
「話せなかったのは緊張して何を話せばいいかわからなくなったから。目を見れなかったのは……君を好き過ぎるからだ」
「っっ」
「困るんだよ。春川さんと会うたびに気持ちが大きくなってく。こんなに誰かを好きになったの初めてで、自分を抑えられない」

