良くねぇよ……全然良くない。
何勝手に決着付けてんだよ。
そんなの全然納得出来ねぇし、したくもない。
「……待てよ」
気持ちが昂ぶる。
必死で爆発しそうな感情を抑えても、抑えきれず低い声が喉を震わせた。
「待てって」
視界の端で春川さんが足を止めて振り返るのが見えた。
およそ十メートルの距離を向かい合う。
戸惑った表情の春川さん。
その横で、オロオロする友達。
周りには遠巻きに足を止めて俺達を見る中津川の生徒達。
逃がさない。
誰にもやらない。
彼女は俺のだ。
「好きだ」
春川さんの瞳を見つめて、彼女に俺の気持ちが届くように言う。
「きゃあ!」と周りの女子が黄色い声を上げ、ザワザワし始めた。
「嘘……」
そうポツリと言う春川さんの瞳が揺れた。
信じられない、と口元を抑えながら、春川さんは光る瞳で俺を見据える。
「嘘じゃない。ずっと好きだった。初めて会った時から」
「だって、だって……海生君は、私のこと鬱陶しいんじゃ……っ」
「俺は一度も春川さんを鬱陶しいと思ったことない。つーか、その逆」

